01、05年世界陸上男子四百メートル障害銅メダルの為末大(29)=APF=が4日、北京五輪を最後に現役を引退する意向を明かした。母校の法大多摩キャンパスで今年初の練習を公開した後、「今は北京五輪で区切りをつけようと思っている」と今季を集大成とする決意を語った。
不退転の決意を「締」の文字で表した。100メートルダッシュ10本×3セットなど意欲的な“走り初め”をした後、トラックで書き初めした。今年の意気込みを表す1文字に迷いはなかった。理由について「競技人生の“締め”の年にしたい」と説明。報道陣から「五輪で引退?」と真意を聞かれると、「一応、今のところは区切りをつけようと。北京までの作戦しか立てていない」と明言した。
有終の美を飾るため、3月に米高地合宿を検討し、初戦を4月の出雲陸上の三百メートルに決め、その後国内で3戦、5月のプレ五輪(北京)では本番のトラックを試走するなど、ち密な“逆算”はほぼ完成している。
そばにいたマネジメント事務所関係者も「これまでの“競技者として最高の状態で戦える最後の舞台”という言葉を言い換えたものと理解した」と引退を否定しなかった。昨年末にはアニメのキャラクター事業や映像などのサービス事業を手がけるウェッジホールディングスの社外取“締”役に就任。これも「締」を選んだ理由の1つ。陸上を愛しているが、第2の人生の計画も着々と進行している。
北京での目標は決勝進出、そしてメダル。「今年の結果で燃えカスみたいになるか、次の夢に向かっていけるか。五輪が分かれ道。締まれば、20年間をいい陸上人生で終われるかなと思う」。初詣では鹿児島の霧島神宮を訪れ、「8月まで体がもってほしい」とだけ願った。集大成へ向けてガムシャラに突き進む。
(1月5日配信 デイリースポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080105-00000004-dal-spo
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