世界に誇る日本女子の2本柱だ。2連覇の浅田真とフリー1位の安藤。能力や技術の高さはもちろん、失敗や障害を乗り越える強い心の持ち主だ。
浅田真は冒頭のトリプルアクセル(3回転半)が1回転半になる大失敗。だが、すぐに「忘れて次のジャンプを頑張ろう」と思い直した。二つの3-3回転連続ジャンプを無難に下りるなど、その後は完ぺきだった。一方、安藤は冒頭の3-3回転連続ジャンプをはじめ、ほぼノーミス。「100%に近い力で滑れた」と笑顔がはじけた。
今大会、2人とも大きな不安を抱えて臨んだ。今季、浅田真はSPで失敗続き。安藤は今月1日のNHK杯フリーで3度転倒し、惨敗していた。
浅田真は前日のSPで高得点を挙げて課題を克服した。安藤は3月の世界選手権優勝の達成感などから「(NHK杯まで)試合に出たい気持ちがなかった」という。惨敗後しばらくはリンクで練習をせず、ただ氷に乗って滑る楽しさを思い出すようにした。そんな練習態度をニコライ・モロゾフコーチに怒られ、トイレに閉じこもったこともあったという。だが、そんな工夫でやる気を取り戻した。
世界選手権に向けて浅田真は「100%の力を発揮したい」と誓い、前回女王の安藤は「今日みたいに楽しんで滑りたい」と語った。安藤はこの日温存したダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループや4回転サルコウも用意している。試練を乗り越えた2人が、日本勢2連覇の夢に挑む。
(12月29日配信 毎日新聞)
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