5月の男子ゴルフツアー、マンシングウェアKSBカップで史上最年少優勝を果たした石川遼(16)=杉並学院1年=が15日、大会が開催された岡山県玉野市の東児が丘マリンヒルズGCを訪れ、記念植樹とクラブ贈呈式を行った。一連の式典に司会役で登場したのが、テレビ中継で“ハニカミ王子”の愛称をつけたKSB瀬戸内海放送の多賀公人アナウンサー(44)。優勝から7カ月を経て、ハニカミ王子がようやく名付け親と感激の対面を果たした。
思い出がたっぷり詰まったコースへ7カ月ぶりに戻ってきた石川は、クラブハウスで多賀アナを見つけると、頭を下げ、右手を差し出した。ハニカミ王子誕生の地で、ようやく実現した名付け親との対面。笑顔でがっちりと握手を交わした。
実は2人が直接対面するのは優勝以来これが初めて。ただ優勝した1週間後に1度だけ会話を交わしている。それは多賀アナからおわびの電話だった。「ハニカミ王子という言葉を使ったせいで石川君に嫌な思いをさせたかもしれない。ごめんなさい」-。
優勝当日は生放送。目の前で快挙が起こった興奮で放送終了直前になっても番組を切り上げる態勢が整わない。「このままでは放送事故になる」と危機感を抱いた多賀アナが放送終了15秒前に、石川の笑顔を見て思わず口にしたのが「ハニカミ王子」だった。「自然と出た言葉だったが、こんなにすごいことになるとは思わなかった。少年を巻き込んでしまったという思いがずっとあった」と多賀アナは振り返る。
だが、案ずるまでもなく石川は感謝の気持ちでいっぱいだった。流行語大賞まで受賞した代名詞。「DVDで見ても最後までぼくを応援してくれる実況でありがたかった。熱く伝えてくれて本当によかったです」。多賀アナも「直接会い7カ月つかえていたものが取れた」と胸をなで下ろした。
チップインバーディーを決めた17番でも多賀アナを司会役に、ピンクチャイムという木を植樹。5月にピンク色の釣り鐘形の花を咲かせる木の花言葉は「壮大な」「スケールが大きい」。花が咲く5月、王子はスケールをさらに大きくして東児が丘に戻ってくることを“名付け親”に約束した。
(12月16日配信 デイリースポーツ)
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