次世代大画面ディスプレー開発のベンチャー企業である篠田プラズマ(神戸市中央区)は、2~3年内にも株式を公開し、新規上場する方針を明らかにした。三菱UFJフィナンシャル・グループ系の株式公開支援企業、三菱UFJキャピタル(東京都中央区)から1億5000万円の出資を受けるなど準備を進めている。プラズマや液晶など現行薄型テレビの10分の1の軽さで、曲げることもできる巨大ディスプレーの量産に乗り出す。
篠田プラズマは、「プラズマテレビの生みの親」として知られる元富士通研究所フェロー、篠田傳(つたえ)氏が平成17年に設立、会長に就任した。
開発しているのは「プラズマ・チューブ・アレイ(PTA)」と呼ぶ自発光式のディスプレー。既存の液晶やプラズマより軽量で曲げることができ、大型化しやすいのが特徴。20年度下期に量産を開始し、「シプラ」ブランドの超大型ディスプレーを年間200台(150型換算)出荷する計画だ。
家庭用テレビとして開発が進む超薄型の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)に対し、PTAは業務用の超大型ディスプレーとして開発を進めている。篠田会長は「プラズマや液晶など他の薄型テレビと競合するのでなく、すみ分けるイメージ」と語っている。
このほか、今月中に薄型ディスプレー製造装置メーカーのアルバック(神奈川県茅ケ崎市)など3社から計1億9000万円の出資を受ける。3社は篠田プラズマが進める超大型ディスプレーの開発・製造に協力するとともに、連携して技術開発に取り組む。
出資額の内訳は、アルバック1億円、高機能フィルムの藤森工業(東京都中央区)5000万円、電線・ケーブル製造の大電(福岡県久留米市)4000万円。
(2月11日配信 産経新聞)
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