映画「砂の器」「 復讐 ( ふくしゅう ) するは我にあり」などで活躍した俳優の緒形拳(おがた・けん、本名・明伸=あきのぶ)さんが5日亡くなった。71歳だった。
7日午前、東京都内で密葬が行われた。死因は明らかにしていない。
東京都出身。1958年に辰巳柳太郎さんが主宰する「新国劇」に入団。65年にNHK大河ドラマ「太閤記」で主役の豊臣秀吉役に 抜擢 ( ばってき ) され、翌66年の大河ドラマ「源義経」でも弁慶を演じ、評判となった。
68年に新国劇を退団後は映画やドラマで活躍。テレビでは69年の「風林火山」(NET=現・テレビ朝日)、72年の「必殺仕掛人」(朝日放送)などで人気を不動にした。映画では74年の野村芳太郎監督「砂の器」で元巡査を好演。78年、同監督の「鬼畜」で日本アカデミー賞主演男優賞。翌79年の今村昌平監督「復讐するは我にあり」、カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた今村監督の「楢山節考」(83年)でも熱演を見せた。
今月9日から始まる倉本聰さん脚本のフジテレビ系ドラマ「風のガーデン」にも出演、9月30日に行われた撮影終了記者会見で元気な姿を見せたばかりだった。
2000年、紫綬褒章受章。
(10月7日配信 読売新聞)
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