覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反(所持)の罪に問われた俳優、加勢大周(本名・川本伸博)被告(38)に対する初公判が10日、東京地裁(三村三緒裁判官)で行われ、検察側から懲役2年6月を求刑されて結審した。みそぎの丸刈り頭で出廷した加勢被告は号泣しながら、芸能界を引退して裸一貫出直すことを表明。判決は18日に言い渡される。
“反省の証”を何度もぬぐった。情状証人として父、川本清彦さんが出廷するや、もう涙が止まらない。加勢被告は視線を落とし、青いタオルで充血した目頭を押さえた。
拘留中にカットした丸刈り頭、灰色のスーツに白いワイシャツ。かつてのさわやかなイメージは面影さえも消えていた。逮捕時には大量の大麻、覚せい剤を所持し、自宅で27本の大麻草を栽培。法廷で謝罪の弁を口にした後、芸能界からの引退を表明した。
「自宅で1人になったとき、悩みや不安を解消したくて使用してしまいました。僕が耐えられなかったのは芸能界での悩み。これからは遠ざかりたいと思っています。今後は芸能界から身を引きたいです」
検察側の論告では、高校在学中に初めて覚せい剤と大麻を使用していたことも指摘された。大麻は2004年以降に本格的に使い、06年以降は知人から購入。1週間に3、4日も使用したこともあったという。
17年前には独立をめぐって旧所属事務所と法廷闘争となり、新加勢大周の芸名を名乗るタレント(現・大旗一生=37)がデビューする騒動が巻き起こった。私生活でも00年2月に元OLと結婚したが、直後に隠し子騒動が起こり、わずか1年10カ月で離婚。数々のトラブルが身にふりかかり、次第に薬物に手を染めていった。
加勢被告の故郷、北海道・函館から上京した清彦さんは、「立ち直ってもらわないと困る。函館に連れ戻そうと考えています」と声を詰まらせた。検察側の求刑は懲役2年6月。加勢被告は拘留中に東京・世田谷区の自宅を引き払っており、執行猶予がつけば実家で更生に努める。
新たな仕事はまだ決まっていないが、接見した弘中惇一郎弁護士は「食に関する仕事をしたいと言っていました。農水産業とか」と明かした。
自身の性格を「内向的だと思います」と分析した加勢被告は、「田舎の親元に戻って、イチからやり直したい」とポツリ。華やかな世界から離れ、反省の日々を送る。
(12月11日配信 サンケイスポーツ)
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