俳優妻夫木聡(27)が日韓合作映画「ノーボーイズ,ノークライ」(キム・ヨンナム監督、来年公開)に出演し、韓国語に挑戦している。このほど、撮影が行われている新潟市で取材に応じた。これまで米映画にワンシーン出演したことはあるが、海外資本が入った作品に本格的に出演するのは初めて。ヒット作に出演し続けてきた妻夫木が「日々成長している自分を感じている」と自信を見せた。
初めての日韓合作作品へのプレッシャーはなかった。妻夫木は「すべてが新鮮なことなので、直感的に、おもしろくなる、新しいものが生まれると思っていました」とオファーを受けた時のことを振り返る。
問題は韓国語だった。裏社会に生きる日本と韓国の青年2人の友情を描いた物語で、妻夫木のせりふは3分の2は韓国語だ。撮影1カ月前から特訓を開始した。当初は週1ペースでのレッスンを考えていたが、単語の意味や相手のセリフも覚えなければいけないため、仕事をセーブして取り組んだ。監督や共演の韓国俳優ハ・ジョンウ(30)にも「発音がすばらしい」と言われるまでになった。
2人の関係も、作品同様に日々深まっている。妻夫木はジョンウを、韓国語で男性の年長者に付ける、兄さんという意味の「ヒョン」を付けて「ジョンヒョン」と呼んでいる。何度も酒を飲み、本音の会話をしたという。韓国語と日本語を教え合うこともある。どんな言葉を教わったのか聞くと、2人で耳打ちして笑い合った。ジョンウが「明日ですか? いいとも!」と日本語で言うと、妻夫木は「こんなことばっか教えてるんですよ」と笑った。
相乗効果で作品の撮影は順調に進んでいる。妻夫木は「遠足の日を待つようなワクワク感がありました。今は終わってほしくない気持ちです。早くお客さんの立場で見たいです。韓国にも行きたい」と語った。
韓国映画では「殺人の追憶」「オールド・ボーイ」などが好きだと言った。大ヒット作と呼ばれる作品の名前を挙げられると「うーん、あんまり好きじゃないなあ。やっぱり、一瞬じゃなくて、たくさんの人の心に残る作品がいい。『ノーボーイズ-』もそうなると思います」。8月上旬に撮了する。
(7月24日配信 日刊スポーツ)
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