大手芸能事務所「ホリプロ」に所属する宮下純一(24)が12日、北京五輪の競泳男子百メートル背泳ぎ決勝で8位入賞を果たし、ホリプロの所属タレントからは祝福の言葉が贈られた。13日に主演舞台「幕末純情伝」(東京・新橋演舞場、つかこうへい作・演出)の初日を迎える女優・石原さとみ(21)は「おめでとうございます」。食事の約束をしていた歌手・和田アキ子(58)は「本当に良く頑張ってくれました」とねぎらいの言葉を掛けた。
一瞬、舞台に上がる緊張が和らいだような表情になった。石原は、宮下の入賞について「おめでとうございます!」と3度繰り返して祝福した。会社の同僚に伝えたかったのは、メダルに届かなかった残念な思いではなく、「世界で8番目に速い男」という称号への尊敬の念だった。「私たちも芝居で金メダルを取りたいです!」2年ぶりの舞台の開幕を翌日に控えた女優にとって、宮下の力泳は大きな勇気となった。
全社を挙げて、ホリプロは声援を送った。会場となった国家水泳センターのスタンドでは堀義貴・代表取締役会長兼社長(42)ら同社首脳陣が応援し、東京・目黒の本社では約50人の社員がテレビに向かって声をからした。競技を見届けた会議室は、ためいきではなく拍手に包まれた。午前中に仕事を終え、結果を伝え聞いたアッコは「8位も素晴らしい。本当によく頑張ってくれました。胸を張って日本に帰ってきて下さい」と愛情を込めたコメントを寄せた。
05年夏。182センチの長身と甘いルックスに目を付けられ、同社幹部に声を掛けられた。06年4月に契約社員として入社。引退後のスポーツキャスター業にも興味を示すイケメンスイマーは、来年3月に契約満了を迎える。帰国後、進退も含めた今後の活動について会社と話し合うことになる。
まだ夏は終わっていない。石原は新境地を開拓する舞台に27日まで全力投球する。アッコは9月29日に米ニューヨークの「黒人音楽の殿堂」アポロシアターでアジア人初の単独ライブに臨む。そして宮下も-。15日に予選が始まる四百メートルメドレーリレーへのエントリーが決まった。最初で最後になるかもしれない五輪の舞台。ホリプロ全社員の声援をバックに、金メダリスト北島康介らと表彰台を目指す。
(8月13日配信 スポーツ報知)