俳優、藤原竜也(25)が来夏公開予定の主演映画「カメレオン」(阪本順治監督)で初のハードボイルドに挑戦することが26日、分かった。今も絶大な人気を誇る俳優、松田優作さん(享年40)を想定し、約30年前に企画された作品で、藤原はパーマをかけ、口ひげをのばし大幅にイメージチェンジ。「俳優として自分の何かが変わると思う」と“転機”を予感している。
「カメレオン」は昭和53年、優作さんの“遊戯シリーズ”第2弾として「カメレオン座の男」のタイトルで企画された。
優作さんの育ての親といわれる映画プロデューサー、黒澤満氏がプロデュース。当時新鋭だった脚本家、丸山昇一氏が書いたシナリオは、政府要人の拉致現場を目撃した詐欺グループが、巨大な事件に巻き込まれていく物語。主人公の伍郎は、グループの仲間を殺され復しゅうに立ち上がる。
黒澤氏によると、48年の金大中事件の影響で実現しなかったが、「優作と作った男性映画のおもしろさをもう一度提示したい」と思い続け、今回、丸山氏、阪本監督に提案。現代的に脚本を手直した。
伍郎役の藤原は、演劇の申し子といわれ、美形かつ好青年のイメージがあり、武骨で情熱がほとばしるタイプの優作さんとは、180度違う魅力の持ち主。黒澤氏は「個性は違うが、現代でこの役を考えたとき、藤原くん以外にいなかった。見た目はおとなしいけれど、現場ではキャラクターをつかみ、どんどん変化している。とてもおもしろい役者」と内に秘めた“男らしさ”を見込んだ。
製作側のラブコールに応えた藤原は、髪形を変え、口ひげを生やしハードボイルドな外見に変身。さらに、20段の階段から滑り落ちたり、走るバイクに突進するなど、アクションシーンにノースタントで挑戦。生傷とアザが絶えない。
今年はデビュー10年の節目。「俳優として今まで何かを守っていて、もう一歩踏み出せない自分がいた」という藤原。「この作品と阪本監督に出会って、変化している自分を日々感じ、撮影が楽しくてしようがない」と手応えを感じている。
(12月27日配信 サンケイスポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071227-00000003-sanspo-ent
PR