フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日の15日、浅田真央(愛知・中京大中京高)はフリーで巻き返し2位、3季連続のメダルを獲得した。
◇いろいろな思いが詰まった涙…演技終え浅田
演技が終わった瞬間、浅田真が泣き出した。前日のSPは二つのジャンプ失敗で最下位に沈んだが、この日はほぼノーミス。「ホッとしたし、疲れたし、うれしい。いろいろな思いが詰まっていた」涙だった。
冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を降りて「気持ちがだんだん楽になった」。ただ一人、3回転連続ジャンプを二つ入れた。序盤に新導入のフリップ-トーループ、後半に得意のフリップ-ループ。3種類のスピンとスパイラルで最高難度のレベル4を獲得するなど、自己ベスト(133.13点)に迫る132.55点を出した。
前向きな思考で、前日のショックを引きずらなかった。「(首位と)点差は離れていない」と考え、「今季はSPはダメでフリーはいいので、そうなればいい」と信じた。3回転ルッツは誤った踏み切りとしてこの日も減点されたほか、「表情が硬かった」と、表現力でも反省点はあった。それでも見事な立ち直りに「不安だったジャンプを練習通りできた」と喜んだ。
年齢制限により出場できなかったトリノ五輪と同じ会場。五輪金の荒川静香がSPで使ったショパン作曲「幻想即興曲」のプログラムを演じ切り、「ここで滑れていい思い出になった」。成績は金妍児に次ぐ2位で昨年と同じだが、今回の方が収穫は大きい。試練を乗り越えて得た自信。17歳の少女が、また一つ大きくなった。
(12月16日配信 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071216-00000051-mai-spo
PR