◆プロボクシングWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ(14日、横浜文化体育館) 川嶋の約2年半ぶりの王座返り咲きに確かな追い風が吹いた。調印式と計量が13日、都内で行われ、王者・ムニョスが直前まで減量に苦しむドタバタぶりを露呈。イライラを募らせた。それに対し、計量を順調にパスして余裕の表情。かつてストロー級(現ミニマム級)でWBA、WBCの両タイトルを獲得した師匠・大橋秀行会長(42)との“師弟両団体制覇”を万全の状態で目指す。
王者陣営のドタバタを、川嶋は余裕の笑みを浮かべて眺めていた。計量前に行われた調印式。直前まで減量に苦しみ約20分遅れで会場に到着、焦りの色濃いムニョスとは対照的だった。「今日になったら恐怖心もなくなりました。あした、王者に返り咲けると思うと楽しみ」計量後は用意していたドリンクをおいしそうに飲み干した。
2日の予備検診で川嶋が指摘した通り、王者は“スキ”を見せた。「今日はとても寒くて体重が落ちなかった…」200グラムの壁に苦しみ、直前までホテルの自室で必死の減量。イライラは頂点に達していた。全裸にまでなって無事、計量をパスし、笑顔が戻ったかと思いきや、今度は味方陣営が飲み物を用意していなかったことで口論を開始。報道陣の取材対応もそこそこに、険しい表情のまま帰路についた。
一方の川嶋は減量も順調。笑顔を絶やさず、33歳のベテランの貫録を見せつけた。約2年半前のWBC同級に続きWBAを獲得すれば、師匠にも肩を並べる。大橋会長も快挙実現のため、「師弟でWBC、WBA両方なんて例のないことじゃないですかねえ。ホームランを狙わせます」と初回から真っ向勝負を挑ませることを明言した。
2度の引退撤回を経て臨む計8度目の世界戦。進退について「周りもそう思っているだろうし、自分もそうだと思う」とラストチャンスのつもりで大一番に臨む決意を示した。「あとは運を天に任せるだけ」やれることはやった。強打のムニョスの懐に飛び込む勇気とベルトへの執念をリングで体現する。
(1月14日配信 スポーツ報知)
PR