歌手のGackt(年齢未公表)が、亡き親友のために立ち上がった。1日、茨城県・常陸太田市の県立佐竹高校の卒業式にサプライズで登場した。同校は、Gacktが以前、在籍したバンド「マリスミゼル」のドラマーで、99年に若くして亡くなったKamiさんの母校。Kamiさんが生前、愛用していたドラムセットをKamiさんの両親から託され、Gacktがドラムとともに歌声を親友の母校へ届けた。
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「東京から素晴らしいビッグな人が駆けつけてくれました」。卒業式直後に流れたアナウンスを合図に、いつものように黒人のボディーガードを従えGacktが登場した。「おぉー!」「キャー!」と驚きの悲鳴と歓声がわき起こった。
この日のサプライズは、ソロ活動をする前に所属したバンド「マリスミゼル」のメンバーだったドラマー・Kamiさんの両親からの依頼がキッカケだった。
Kamiさんは99年6月21日にクモ膜下出血のため、20代半ばでこの世を去った。亡き友のため、今でも命日と誕生日の墓参りを欠かしていないGacktだが、10回忌を迎える今年、Kamiさんの両親から「生前に愛用していたドラムセットを母校に寄贈したい」と依頼を受けた。この申し出を快諾すると、Kamiさんの思いを届けるべく卒業式ライブも行うことを決めた。
Gacktは「10年前、彼と見えない未来に不安を感じながらもがいていた。もし彼が生きていたなら、君たちの背中を押していたと思う。今日は僕があいつの代わりに君たちの背中を押したい」と“後輩たち”へ語りかけ、自身のヒット曲「野に咲く花のように」を熱唱した。
「先輩がよく言っていた言葉があります『夢は見るものじゃない。かなえるもの』君たちの未来は光が満ちあふれている。卒業おめでとう」。苦楽を共にした友の思いを代弁するかのようなメッセージで締めくくった。
会場にいたKamiさんの両親から、涙ながらに熱い抱擁で感謝された。滞在時間はわずか20分だったが、きっと天国の友も喜んでいたに違いない。
(3月2日配信 デイリースポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080302-00000005-dal-ent
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