ブーメランは無重力空間でもちゃんと戻ってくるのか--。11日打ち上げ予定の米スペースシャトル「エンデバー」で宇宙に向かう宇宙飛行士の土井隆雄さん(53)が、国際宇宙ステーションでブーメランを投げる実験を行う。
提案したのは、一昨年のブーメラン国際大会で優勝した世界チャンピオンの栂井(とがい)靖弘さん(36)(大阪府)。土井さんもチャンピオンも、その答えはわからない。
ブーメランは、縦に投げると左に引っ張る力が発生して、自転車がゆるやかに左回りするように、ブーメランも自然と左に曲がって円軌道を描く。最後は、翼にかかる揚力と重力がつりあって地面と平行に飛行し、元に戻ってくる。
「ブーメランはフワッと浮いて手元に戻る。重力がなくなったらどうなるんだろう」と栂井さん。栂井さんは、らせんを描きながらどんどん頭上方向に離れてしまい、戻ってはこないと予想している。
栂井さんは大学時代に、円を描いて戻る軌道の不思議さに魅せられて、本格的にブーメランを始めた。宇宙も大好きで、高校時代には、米航空宇宙局を見学に行ったほどだ。
知人の雑誌編集者に紹介されて、一昨年秋に土井さんと知り合えた。土井さんも「それは面白い。ぜひステーションで投げてみたい」と快諾したという。
土井さんには、直径約20センチと約13センチの手製の紙ブーメランを託した。栂井さんは「まさか実現するとは思わなかった。結果が楽しみ」と心待ちにしている。
(3月6日配信 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080306-00000034-yom-sci
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