1月31日、ブッシュ米大統領は任期最後の1年間に1500億ドルの景気対策を実施して米景気後退の回避を狙うが、大統領は財政赤字の悪化というもうひとつの難題を抱えている(2008年 ロイター/Larry Downing)
[ワシントン 31日 ロイター] ブッシュ米大統領は、任期最後の1年間に1500億ドルの景気対策を実施して米景気後退の回避を狙うが、大統領は財政赤字の悪化という、もうひとつの難題を抱えている。
ホワイトハウス当局者によると、大統領が4日に議会提出する2009会計年度(08年10月─09年9月)予算教書で、08年度と09年度の財政赤字見通しがそれぞれ4000億ドルとなる見通し。これは米国内総生産(GDP)の約2.8%に相当する。
これは、多くの民間アナリストの予想とも一致する。民間アナリストは、経済が減速するなかでの企業利益の減少および国民所得の伸び鈍化が財政赤字を膨らませると指摘する。
米シンクタンク、ヘリテージ財団の予算専門家、ブライアン・リードル氏は「ブッシュ政権の予算は、米経済が過去数年間に比べて緩やかなペースで成長し、それが歳入の減少につながる、との見方を反映するものになる」と述べた。
今回の予算見通しは、米景気後退の如何にかかわらず、近年よりもさえないものとなる見通し。
予算不足の深刻化は民主党の批判を招き、11月4日の米大統領選挙における共和党の立場に悪影響を及ぼす可能性もある。
米経済成長の減速だけでなく、戻し減税などの措置を含む1500億ドルの景気対策や、大統領によるイラク・アフガニスタン戦費要求も、今年度の財政赤字を膨らませる要因とみられている。
(2月1日配信 ロイター)
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