「おそ松くん」「天才バカボン」などの作品で人気を集めたギャグ漫画家、赤塚不二夫(あかつか・ふじお<本名・藤雄=ふじお>)さんが2日午後4時、肺炎のため死去した。72歳。葬儀の日取りは未定。自宅は東京都新宿区中落合1の3の15。喪主は長女りえ子さん。
赤塚さんは1997年12月に自宅で吐血し食道がんであることが分かり、98年3月に記者会見で公表した。摘出手術を受けた後も急性硬膜下血腫などで入退院を繰り返す。02年4月に脳内出血を起こし、入院が続いていた。06年夏、看病していた妻眞知子さんが亡くなった。
35年、旧満州(現中国東北部)生まれ。手塚治虫にあこがれて漫画家を志望し、中学卒業後の54年に新潟から上京、工員として働きながら漫画の投稿を続けた。このころ石ノ森章太郎の同人誌に加わるとともに、若い漫画家が集まった東京都豊島区のアパート、トキワ荘に移り住んだ。
56年「嵐をこえて」でデビュー。一昨年、漫画家生活50周年を迎えた。62年に「少年サンデー」に連載し大ヒットした「おそ松くん」は、秩序を破壊するスピード感のあるナンセンスな笑いで、新しいギャグ漫画の世界を切り開いた。その後も「もーれつア太郎」「ひみつのアッコちゃん」「天才バカボン」などヒット作を連発した。
65年「おそ松くん」で小学館漫画賞、97年に日本漫画家協会賞文部大臣賞。98年に紫綬褒章受章。03年、東京都青梅市に「青梅赤塚不二夫会館」が開設された。
(8月2日配信 毎日新聞)
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