お笑いのピン芸人No.1を選ぶ「R-1ぐらんぷり2008」。連覇したなだぎ武(37)に僅差で敗れた40歳の“新人”芋洗坂(いもあらいざか)係長が、にわかに脚光を浴びている。
ヨレヨレのスーツからメタボな腹が突き出し、寂しい頭から前髪がチョロリ。冴えないサラリーマン風に会場が沸いた。
審査員5人の合計得点は、なだぎ474点、芋洗坂472点と微妙だった。月亭八方、間寛平は、なだぎに軍配。高田純次、大平サブローはドロー。そしてダンカンは芋洗坂に軍配を上げた。
江戸川大学のお笑い学専任講師、西条昇氏も「僕が審査員だったら、芋洗坂係長に入れました。昔の洋楽でリズムネタの替え歌、踊りネタも良かった。これまで露出されていなかった分、新鮮な笑いが起きた」と評価する。
会社の人事課の横暴ぶりと中年サラリーマンの悲哀をディスコブームの頃のヒット曲「ジンギスカン」に乗せて歌い大ウケだった。
この“係長”、実はかつてお笑いコンビ「テンション」の小浦一優として人気を得ていた。相方の田口浩正(40)は今や俳優として映画「チーム・バチスタの栄光」やテレビ朝日系ドラマ「未来講師めぐる」などで大活躍。コンビ時代は「♪ラリポップ、ラリポップ…ボボンボンボンボン」と軽妙にオールディーズをハモりながらネタを繰り出した。「当時は田口さんがデブキャラで、小浦さんはやせていた」(西条氏)。
小浦はその後、イジリー岡田らと劇団アンテナコンテナを設立。舞台の道を歩んでいた。役者だけでなく、ダンスや振り付けも教え、脚本も書くマルチな才能の持ち主。
「『芋洗坂係長』は、舞台の中で今まで演じてきたサラリーマンやデブのオカマ、肉体労働者などの役を合わせたキャラクターなんです」(所属事務所マネジャー)
現在も3、4月までにあげなければならない映画と舞台の脚本を抱えている。「本人はR-1が終わったら、ゆっくり書こうと考えていたのですが、こんなに忙しくなるとは…」(前出マネジャー)とうれしい悲鳴だ。
昨年12月にM-1グランプリを制したお笑いコンビ「サンドウィッチマン」に続いて、今後が楽しみな無名の実力派が出て来た。
(2月20日配信 夕刊フジ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080220-00000001-ykf-ent
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