「若ノ鵬事件」の余波で、角界に再び激震が走った。2日に行った日本相撲協会の再発防止検討委員会の薬物抜き打ち尿検査で、若ノ鵬と同じロシア出身の露鵬(28)=大嶽部屋=と、十両の白露山(26)=北の湖部屋=の兄弟から、大麻使用の陽性反応が出た。
再発防止検討委員会は若ノ鵬逮捕直後の8月19日に、若ノ鵬と同郷のロシア出身力士全員の事情聴取をしたばかりだった。協会のアンチドーピング委員も務める大西祥平・慶大教授は会見で「直前まで使用していたとみられる」と話しており、教訓が全く生かされていない状況を露呈した。
会見には大西教授のほか日本相撲協会の再発防止検討委員会の伊勢ノ海委員長(理事)、友綱副委員長(理事)、秀ノ山副委員長(役員待遇)の4人が出席した。
2日午後1時から、大麻、覚せい剤(メタフェタミン、アンフェタミン)の3種を検出するための尿検査を十両以上の関取69人に対して実施した。その結果、露鵬と白露山について大麻について陽性反応が出たという。露鵬と白露山は「検査に納得できない。身に覚えがない」として再検査を要請。露鵬は3回、白露山は2回同じ検査をしたが、いずれも陽性となった。この段階で、警視庁に通報し、さらに精密な検査をした。覚せい剤の成分については反応がなかった。
精密検査の結果については、早ければ48時間以内に結果が出る。尿検体は警察からの要請があれば提出するが、大西委員は「ここ2~3日での使用でないと簡易検査では出ない」と、直近での使用の疑いを示唆した。
露鵬の師匠・大嶽親方(元関脇・貴闘力)は「まだ報告を受けていない」と話し、白露山の師匠・北の湖理事長は「以前に調べた時には何もなかったのだが」と話した。
(9月2日配信 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080902-00000138-mai-soci
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