<「はじめまして」/この一秒ほどの短い言葉に、/一生のときめきを感じることがある。/「ありがとう」/この一秒ほどの短い言葉に、/人のやさしさを知ることがある。>
23年前、美しい詩に彩られた時計会社のCMが、テレビで一度だけ放送された。評判が口コミで広がり、詩は今年、教科書にも載った。その“幻のCM”が時の記念日の10日、ハイビジョンのリメーク版で復活。民放系BS5局で、それぞれ一回だけ放送される。詩の作者は、本紙夕刊で「ドッポたち」を連載している漫画家の小泉吉宏さんだ。
リメークされたのは、セイコーウオッチの「一秒の言葉」(60秒)。1984年にラジオCMとして制作され、翌85年にテレビCM化、同年暮れの民放「ゆく年くる年」で放送された。校舎を背景に、詩が流れるイメージCMだった。
放送後、「詩を結婚式のスピーチに使いたい」「教材にしたい」という問い合わせが、毎年のようにセイコー社に。詩はファンによりネットにもアップされ、今年4月には、小学5年生用の「道徳」副読本にまで採用された。
この評判を受け、セイコー社は23年ぶりにCMをリメーク。詩はそのままに、新しい音楽と新撮影のハイビジョン映像で「2008年版」に生まれ変わった。
小泉さんは、「広告マン時代に作ったCMが、このような形で語り継がれているのは感無量」と話している。
10日に「一秒の言葉」が放送される番組は、BS日テレでの「トラベリックス3」(午後10時)など。また、セイコー社のサイト( http://www.1byou-no-kotoba.jp/index.html )でも見られる。
(6月8日配信 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080608-00000009-yom-ent
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