[東京 20日 ロイター] 富士通<6702.T>が今年春にも半導体事業を分社化する方針を固めた。関係筋が20日明らかにした。電機業界では、半導体分野で再編をにらんだ動きが活発化しており、富士通は分社化を通じて他社との連携を機動的に進める狙いがあるとみられる。
富士通の半導体事業は06年度で売上高4735億円と、連結売上高(06年度5兆1001億円)の1割近くを占める。外部顧客からは技術への評価が高いとされ、サーバーや通信機器、携帯電話といった自社製品の強化でも半導体事業は重要な役割を果たしてきた。しかし、07年度上期は価格下落や受注悪化の影響で赤字となるなど、収益状況は厳しい。
電機業界では巨額投資を要する次世代半導体の開発や生産を巡り、他社との連携や、選択と集中を進めるケースが相次いでいる。東芝<6502.T>とNECエレクトロニクス<6723.T>は、回路線幅で32ナノ(ナノは10億分の1)メートルの微細加工技術を用いた次世代半導体を共同開発することで合意し、生産面での協力も視野に入れている。
松下電器産業<6752.T>とルネサステクノロジ(東京都千代田区)も32ナノの共同開発を検討。一方、ソニー<6758.T>はゲーム機向けなどの最先端半導体の生産から撤退する。富士通も「様々な選択肢を検討している」(経営幹部)としており、分社化後にどのような手を打つかが注目される。
(1月20日配信 ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080120-00000544-reu-bus_all
PR