大相撲時津風部屋の力士暴行死事件で、傷害致死容疑で逮捕された兄弟子3人が愛知県警特別捜査本部の調べに対し、死亡した序ノ口力士、斉藤俊(たかし)さん(当時17歳)がさせられた約30分のぶつかりげいこについて「非常に長いと思った」と供述していることが9日、分かった。また3容疑者は「親方は絶対的で逆らえない」とも供述。特捜本部は前親方の山本順一容疑者(57)が制裁を実質的に主導し、強い上下関係を背景に兄弟子たちに実行させたとみて調べている。
これまでの調べでは、斉藤さんは07年6月26日、山本容疑者にぶつかりげいこを命じられ、けいこの途中で息が荒くなって倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。
山本容疑者の指示でけいこに加わった伊塚雄一郎(25)、木村正和(24)の両容疑者は調べに対し、斉藤さんの相手をしながら「非常に長いと思った」と供述、加わらなかった藤居正憲容疑者(22)も同様の供述をしているという。また「しつけのつもりだった」と容疑を否認している木村容疑者を含め、3人は斉藤さんの死について「自分が手を出したからこのようなことになった」と反省を示しているという。
一方、山本容疑者は同月25日夜、ビール瓶で斉藤さんの頭を殴る前、胸などを瓶で10発程度突いたことも新たに判明した。山本容疑者は殴ったことについて「説教をした時に(相撲をやめるか続けるか)はっきりしないので怒った。制裁の意味はない」と犯意を依然否認しているという。
(2月9日配信 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080209-00000110-mai-soci
PR