ニュースキャスターの筑紫哲也(ちくし・てつや)さんが7日午後、肺がんのため東京都内の病院で亡くなった。
73歳だった。告別式は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く。
大分県出身。早大卒業後、1959年に朝日新聞社に入社。政治部記者、ワシントン特派員などを経て、84年に「朝日ジャーナル」編集長に就任。「新人類」「元気印」などの流行語を生み出した。78年から82年にかけて、記者活動のかたわら、「日曜夕刊!こちらデスク」(テレビ朝日系)のキャスターも務めた。
89年に朝日新聞社を退社、TBS系「筑紫哲也NEWS23」のキャスターに転じた。雑誌的な切り口や街頭インタビュー、コラムコーナー「多事争論」など、従来の報道番組にはなかったスタイルで、テレビ朝日系「ニュースステーション」の久米宏さんとともに、新しい形のニュースキャスターとして人気を集めた。
TBSが、オウム真理教幹部に坂本堤弁護士のインタビュー映像を放送前に見せてしまう問題が発生。これが坂本弁護士一家殺害のきっかけになったとされたことから、96年3月「TBSは死んだに等しい」と番組中で発言し、論議を巻き起こした。
2007年5月、番組の中で肺がんであることを告白。その後もインタビューなどで時折番組への出演を続けながら療養していた。今年8月11日放送の「NEWS23 マンデープラス」が最後の出演となった。
著作に「総理大臣の犯罪」「若者たちの神々」などがある。
(11月7日配信 読売新聞)
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