全国に約1000人いるとされるフリーのアナウンサーは、元TBSの川田亜子アナ(享年29歳)の自殺にうそ寒い思いをしたのではないか。
川田さんはさまざまな悩みを抱えていたとされるが、要因のひとつは仕事が不安定なことだ。報道志望という理由で昨年4月にフリーに転身し、「サタデースクランブル」(テレビ朝日)などで司会を務めていたのだが……。
「川田さんはフリーの中では恵まれていた方です。『サタデー』のように報道系情報番組も担当できたわけですから。それでもイベントの司会などもこなさなければならず、理想と現実のギャップに苦しんでいたようですが」(関係者)
中には、元フジテレビの内田恭子のように順風満帆でオファーが殺到するフリーアナもいるが、それはほんの一握り。
女子アナ評論家の高島恒雄氏はこう言う。
「テレビ局は局アナを抱えているため、よほど人気と実力がない限り、フリーを使う必要がない。そこで彼女らは仕事を選べず、イベントの司会などもこなす。そのうちに、個性と特色が薄れ、ますます仕事が減っていくのです」
しかも、キー局で年収1000万円以上稼いでいた局アナの多くは、収入も激減する。仕事も減り収入も減る、負のスパイラルというわけだ。
●高島彩でさえ他人事ではない
「元日テレの魚住りえはテレビ東京でナレーションなどを担当していますが、年収は500万円程度。元フジの深澤里奈、富永美樹はテレビの仕事はほとんどなく、イベントの司会などがメーン。川田さんが所属する事務所の“先輩”大神いずみはアニメの声優などもこなしている。いずれも収入はあまり多くはないはずです」(女子アナウオッチャー)
川田さんも局アナ時代に比べて一時的に年収はアップしたが、所属プロの取り分を引くとそれほどではなかっただろう。フリー転向がウワサされるフジの人気アナ、高島彩や中野美奈子でさえ、今回の一件は他人事とは思えないはずだ。
(6月2日配信 ゲンダイネット)
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