歌手の加山雄三(71)が9日、詐欺容疑で逮捕された音楽プロデューサー・小室哲哉容疑者(49)を痛烈に批判した。神奈川県にある母校の慶應義塾大学・日吉キャンパスで行われた「慶應義塾 創立150年記念コンサート」に出演した加山は、自身もかつて23億円もの借金を背負いながら完済しただけに、浪費癖から犯罪者に転落した小室容疑者には「消えてなくなっていい!」とブチ切れ気味に話した。
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慶大OB・OGたちと「幸せだなぁ。創立150年に、この日吉の丘で歌えることが」とご機嫌でコンサートを行った若大将。だが終了後に小室容疑者の名前を聞くと、途端に顔色が変わった。
「ホントにとんでもねぇ」「冗談じゃない」「消えてなくなっていい!」…。こみ上げてきた怒りを一気にブチまけた。ここまで怒るのも理由がある。加山自身も借金地獄に陥ったことがあるからだ。
1970年に監査役を務めていたパシフィックパークホテルとスキー場が倒産。23億円もの借金を背負った。ホテルの売却金を差し引いても7億円近い借金が残った。ほかにも税金を2億円ほど滞納していた。「みんな逃げちゃってね。誰のせいでもないと思って必死で返した」という。
返済できたのは、徹底した節約と謙虚な気持ちがあったからこそ。元女優で妻の松本めぐみさん(60)と1つの卵を分け合って食べたこともあった。60年代に「若大将シリーズ」で一世を風びした銀幕のスターが、場末のキャバレーをドサ回りするなど、なりふり構わず働いた。完済には10年もの歳月を要した。
だからこそ、90年代の栄光を忘れられず、浪費癖から借金を重ね犯罪者にまで落ちた小室容疑者にはひと言いいたかったのだろう。「有名になり成功した者は、自分がどういう立場なのか考えなければいけない。人の誘惑は関係ない。すべて自分に責任がある!」。苦労を知るからこそ加山の言葉には重みがある。拘置所の小室容疑者に、その言葉はどう響くか-。
(11月10日配信 デイリースポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081110-00000005-dal-ent
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