スウェーデンで開催されたフリースタイルスキーのワールドカップ(W杯)女子モーグル第8戦で、日本女子のエース上村愛子(28=北野建設)が決勝で24・43点をマークし、2月の猪苗代大会、今月1日のチェコ大会に続いて3連勝を飾り、W杯通算5勝目を挙げた。モーグルとデュアルモーグルで3連勝は日本選手初の快挙。種目別得点でも2位ニコラ・スドバ(チェコ)との差を83点と広げ、2戦を残してモーグルでは日本選手初となる年間種目別優勝に大きく前進した。第9戦は8日にオーレでデュアルモーグルが行われる。
モーグルで日本選手初の種目別優勝を大きく引き寄せる3連勝。とびっきりのスマイルを浮かべた上村は「やっちゃいましたね」と大喜びした。
第7戦で獲得した、種目別首位の選手が着用するイエロービブをつけての初めての試合。「すごく緊張した」という予選は第1エアの着地がやや乱れ、7位通過だった。
だが、決勝レース前に突然の空腹感を覚えた。「ビブを守ろうとするな。ムチャムチャに攻めていかなきゃ」と自らに言い聞かせた。緊張が闘志に変わり、第1エアでヘリコプター、第2エアで後方宙返りを成功。滑りの出来を示すターン点は最高点を叩き出した。スキーが横に向かず、ゴールラインに向かって真っすぐ突き進む姿は勝利への攻撃的な姿勢の表れ。2位リチャーズ(カナダ)に0・7点差をつける快勝に、全日本スキー連盟の高野弥寸志フリースタイル部ヘッドコーチは「滑りを見ていて引き込まれてしまった。イエロービブにふさわしい滑りだった」と絶賛した。
エアでは体の軸を斜めにして回転する大技は無理して使わなかった。それでも勝てるのは5位に終わったトリノ五輪から課題だったターンが強化されているからだ。「エアの上村から滑りの上村と評価されるのはうれしいし、自信になる」。勢いではなく、地力を見せつけての快勝。残り2戦へ向け「自分の滑りを貫いて、種目別の優勝は何としても実現したい」と意気込んだ。
(3月8日配信 スポーツニッポン)
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